女性ホルモンはストレスの影響を受けやすい

男性に比べて女性の生涯は、変化に富んでいます。まず、女性ホルモンが小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期ごとに大きく変化し、それにあわせて女性の体も変わります。なかでも性成熟期は、月経の前後、妊娠の前後(妊娠を試みている時期、妊娠時、分娩後、産褥期)などのように、特に変化が大きい時期となっています。

家庭、仕事、育児で精神的な負担

また、女性ホルモンは毎日変化をしています。28日周期で見ると、エストロゲンは排卵日の直前に増加し、その後少し下がり、また増加します。もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンも排卵の後に増加し減少します。その両方が下がった時に、子宮内膜が剥がれて月経がきます。エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンは、それぞれが変化しながら、月経周期をつくっています。

しかも、女性ホルモンはストレスの影響を受けやすいため、入学試験やスポーツの大会、引っ越し、入学・卒業、結婚、妊娠・出産、異なった仕事への配置転換、退職などの環境変化で脳にストレスがかかるとすぐに不安定な状態になります。

なかでも妊娠・出産は、それまでに経験したことがない大きな変化を体験することになります。女性にとって、自身が母親になることは生涯のうち最も大きい変化かもしれません。その後、夫や自分の両親の介護の問題もでてきます。男性は、仕事が生活の中心となる人が依然として多いですが、女性は家庭、子供、仕事と生活の中心がいくつもあります。それだけたくさん変化があるということは、ストレスにさらされる機会もそれだけ増えることになります。

ストレスというのは仕事の人間関係のトラブル、パートナーとの別れなどネガティブなものだけが原因となるのではなく、結婚や妊娠・出産、仕事上の昇進などのポジティブなものも原因となります。これは悲しいこともうれしいことも、その状態に完全に慣れるまでは、すべての変化がストレスとなるからなのです。

こうした変化が多いほど、その翌年に体調を崩す女性が多くなることがわかっています。変化が起きている年が一番大変なのですが、一件落着して肩の荷が下りたり、状況に慣れたと思った翌年に健康の問題が出てくるというのは興味深いところです。