性病のリスクが高い女性は婦人科で年1回の検査を!

女性の性感染症は症状が出にくいため、知らないまま感染が進行しやすいという厄介な点がありますが、性感染症を予防するうえでも女性は難しい点があります。それは性感染症の最大かつ最も基本的な予防策であるコンドームの使用は、男性側に決定権があるということです。

パートナーの性病感染を予防

女性用のコンドームも一時的に国内で販売されましたが、全く普及しませんでした。男性は「コンドームを付けると気持ちよくない」、「セックスの最中に付けるのは面倒くさい」、「中出しはしない(=膣外射精)から、妊娠や性病のリスクはない」などの理由でコンドームを使用しないことが度々あります。

新しい彼氏ができたり、自分以外にも複数の女性とセックスをしていそうな男性と関係を持つときは、必ずコンドームを使用すべきです。また自身も特定のパートナー以外にも複数の相手とセックスをしている場合は、性感染症を早期発見・治療するためにも、年に一度は婦人科でクラミジアや淋病、HPV、HIVの検査(採血、おりものの検査、細胞診など)を受けるべきでしょう。

婦人科で専門医の診察を受ける代替手段として、ドラッグストアで購入可能な市販薬や検査キットを利用するのはあまりお勧めできません。特に市販薬は、自分の症状がその市販薬が対象としている性感染症だと自己判断していても、実はよく似た症状を呈する他の病気だったという可能性があり、その場合は病気を悪化させるリスクもあります。

膣内を清潔にするために携帯用ビデで膣内洗浄を行う方もいますが、頻繁に洗浄すると膣内を酸性に保っている善玉菌(デーデルライン桿菌)も洗い流してしまう恐れがあります。またクラミジア感染症に感染している状態で膣内洗浄をすると、骨盤炎症性疾患を起こす可能性もあります。

おりものが増えたときも、症状は厄介(膣の激しいかゆみ)なものの悪性度は低いカンジダの感染と自己判断して安心するのは禁物です。最近はカンジダ膣炎や膣のかゆみのクリーム、膣錠などの治療薬を薬局で購入して自分で治療する女性が増えているため、淋病などのより危険な性感染症を早期に発見できる機会が失われているのではないかという、専門家の指摘があります。

性感染症に対する悪い要素ばかりが目立つようですが、対策が功を奏している一面もあります。例えば、HIV感染症はHAART療法(多剤併用療法)により、AIDSの発症を抑えながら日常生活を送ることが可能になりましたし、子宮頸がんもその原因の過半数を占めるHPV16型と18型に対する予防ワクチン(ガーダシルとサーバリックス)が開発されました。またB型肝炎ウイルスの予防ワクチンも医療従事者の間で積極的に接種が行われています。

かつては”エイズ大国”と揶揄されたタイでは、国家が資金を投入する形でコンドームの使用を呼びかける大規模な運動を行うとともに、性風俗産業で働く女性にコンドームの使用を強制することで、HIVの新規感染者、AIDS発症者を大幅に減らすことに成功しました。